罪と罰

小説『罪と罰』

【日々レビュー記】『罪と罰』[第2篇-2]:証拠を捨てる男と唯一の理解者

ラスコーリニコフは、警察が家宅捜索に来るのではと怯えていた。急いで下宿に戻り、犯行現場から持ち出した品々をどう処分するか思案する。人目につかない場所を探し、寂れた場所にある石の下へ品物を隠すと、心はわずかに軽くなる。しかし、かつて少女を助け...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第2篇-1後半]:警察署での緊迫

📖 あらすじ(今回の要約)ラスコーリニコフは警察署に呼び出されるが、殺人事件の取り調べではないことが判明する。副署長は横柄に叱責するが、彼が呼び出された理由は借金問題に関するものであり、下宿のかみさんザルニーツィナの借用書が関係していた。署...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第2篇-1前半]:出頭の恐怖と、バレていなかった安堵

殺人を犯したラスコーリニコフは、自宅へ戻ると証拠を隠すでもなく、そのまま床に倒れ込むようにして眠ってしまう。不用心な行動に目を覚ました彼は、自分のしたことにようやく気づき、激しい不安に襲われる。証拠の処理や逃亡よりも、「もうすべてを白状して...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇‑7]: 悲劇の「決行」とラスコーリニコフの内なる破綻

ラスコーリニコフは、ついに質屋の老婆・アリョーナを殺害してしまう。前節で語られた「偶然」の数々を背に、夕刻、下宿の庭番小屋から斧を取り出した彼は、老婆の住む建物へと足を運ぶ。老婆の部屋でいつものように品を差し出すと、彼女が戸棚に手を伸ばした...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇‑6]: “偶然”に後押しされた決意

質屋の老婆アリョーナをめぐる雑談を、ラスコーリニコフは安食堂で偶然耳にする。学生は「あの老婆を殺して財産を善良な人々のために使うべきだ」と熱弁し、将校と議論していた。老婆の妹リザヴェータが“売り子”として評判であること、翌日 7 時に外出す...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇-5]:夢と決意、そして“偶然”の訪れ

酒に酔ったラスコーリニコフは、夢の中で少年時代の自分が、群衆に暴力を振るわれ死にかけるメス馬を目撃するという悪夢を見る。彼は馬を守ろうとするが、無力で何もできない。目覚めた彼は、自身の精神状態に衝撃を受ける。「自分は本当に斧をふるって殺人を...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇-4]:母の手紙と少女との邂逅

🕊️ 愛が重すぎるとき——ラスコーリニコフの葛藤ラスコーリニコフの元に届いた母・プリヘーリヤからの手紙は、彼の心に大きな動揺をもたらします。妹ドゥーニャが、自分のために不本意な結婚を決意したこと。母親もまたその決断を支えていること。それは彼...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇-3]:母からの手紙が心に刺さる ― ラスコーリニコフの苦悩

📖今回読んだ範囲(あらすじ・要約)舞台はラスコーリニコフの貧しい下宿部屋。彼はすでに部屋代も食費も払っておらず、女中のナスターシャからの差し入れでかろうじて生きている状態。そんな中、田舎なまりのおしゃべり好きな彼女が、手紙を預かっていたと伝...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇-2後半]:マルメラードフの家族の崩壊

📖今回読んだ範囲(あらすじ・要約)酒場で知り合ったマルメラードフの身の上話を聞き続けるラスコーリニコフ。マルメラードフは、せっかく手に入れた職を再び酒で台無しにしてしまったという。家族──妻のカチェリーナ、娘のソーニャ──は、彼に大きな期待...
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【日々レビュー記】『罪と罰』[第1篇-2前半]:酒場の飲んだくれマルメラードフの告白

📖 今回読んだ範囲ラスコーリニコフが酒場へやってくる場面 ~ 酒場で知り合ったマルメラードフの告白(途中)まで📝 あらすじ・要約ラスコーリニコフは、普段は人付き合いを避ける性格ながら、ふと人と関わりたくなり酒場へ足を運ぶ。そこで出会ったのが...